Trick or Treat!
子供達に引っ張られてサンダルをかろうじて履いて出た私を待っていたのは……
「山崎…君……どうしてここに?」
山崎君は簡単なドラキュラの仮装をしてにやりと笑う。
「Trick or Treat?」
「え?は、はっぴーはろ…うぃん?」
何が何だか分からない私に向かって、今度はしかめっ面をする。
「お菓子無いじゃん。」
「だって、もう余分は無いよ……。」
「じゃあ仕方ないね。芽依ちゃん、いい?」
「いいよーっ!」
「え?わぁ…きゃあっ!!」
するとエプロン姿の私はそのままお姫様抱っこされてしまったっ!
「何?どういう事っ!?」
「俺はいたずら好きで強欲なドラキュラだからね、愛しい人を攫っていくの。」
「ちょっと待って!どういう事!?」
「あー、ママがドラキュラに捕まっちゃったー。たいへーん。」
芽依の棒読みの声が響く。
「ね、結婚と誘拐。どっちがいい?」
「はっ!?」
「ねぇどっち?」
「…ってどっちもだめ…っ!」
「もう、俺のお姫様はわがままだなぁ。じゃあ両方って事でいい?」
「ちょっと芽依助けてっ!」
「ごめん、ママ私賄賂受け取ってる。ミイラ女はドラキュラの下僕になりました。」
そういって出したのは退院するときに見つけたビーズのネックレス。後で知ったのだが、折り紙のバラのお礼に何がいいかと悩んでいたら、上川君からの情報で芽依がビーズのアクセサリーが好きと聞いたらしく、その場にいた千歳本部長補佐が息子の彼女がそういうの得意だから作ってもらおう、と言って頼んでくれたらしい。
……なんて手の込んだことを…。
「あ、おいしそうなお菓子めっけ。」
私が悶々と悩んでいたら、山崎君はその隙を突いてキスをしてきた。
「ん……んっっ!/////」
周りからは「きゃ~~♪」とか「うっわ~~生ちゅー!」とかいう子供達の歓声と共に…あかりちゃんの「そのまま攫っちゃえ!」という声が……。
みんなグルだったのかっ!
「お菓子もらったんなら、もういいでしょっ!」
ジタバタと暴れる私をさらに拘束して「言ったじゃん。俺は強欲なドラキュラだって…。」耳元ですごい色気を出して囁く。挙げ句に耳をぺろっと!!
「もうね、諦めなさい。ドラキュラに食べられた女の人は一生ドラキュラと共にいるんだよ。」
「私の前にもいたでしょっ!」
「だって気持ちがこっちの方が遙かに上だもん。しょうがないじゃん。」
何をしれっと言っているんだこの男はっっ!!
「ママー、今日はね私恭君家に泊まることになっているから。」
芽依がどさくさに紛れて爆弾を落とす。ちょっと待てぃ!
脇から鞄を持ちながらするっと抜けると、子供達|(と、あかりちゃん)はあっという間に立ち去ってしまった。呆然とする私をそのまま家にいれると、彼はしっかりと鍵を閉めてしまった。
「山崎…君……どうしてここに?」
山崎君は簡単なドラキュラの仮装をしてにやりと笑う。
「Trick or Treat?」
「え?は、はっぴーはろ…うぃん?」
何が何だか分からない私に向かって、今度はしかめっ面をする。
「お菓子無いじゃん。」
「だって、もう余分は無いよ……。」
「じゃあ仕方ないね。芽依ちゃん、いい?」
「いいよーっ!」
「え?わぁ…きゃあっ!!」
するとエプロン姿の私はそのままお姫様抱っこされてしまったっ!
「何?どういう事っ!?」
「俺はいたずら好きで強欲なドラキュラだからね、愛しい人を攫っていくの。」
「ちょっと待って!どういう事!?」
「あー、ママがドラキュラに捕まっちゃったー。たいへーん。」
芽依の棒読みの声が響く。
「ね、結婚と誘拐。どっちがいい?」
「はっ!?」
「ねぇどっち?」
「…ってどっちもだめ…っ!」
「もう、俺のお姫様はわがままだなぁ。じゃあ両方って事でいい?」
「ちょっと芽依助けてっ!」
「ごめん、ママ私賄賂受け取ってる。ミイラ女はドラキュラの下僕になりました。」
そういって出したのは退院するときに見つけたビーズのネックレス。後で知ったのだが、折り紙のバラのお礼に何がいいかと悩んでいたら、上川君からの情報で芽依がビーズのアクセサリーが好きと聞いたらしく、その場にいた千歳本部長補佐が息子の彼女がそういうの得意だから作ってもらおう、と言って頼んでくれたらしい。
……なんて手の込んだことを…。
「あ、おいしそうなお菓子めっけ。」
私が悶々と悩んでいたら、山崎君はその隙を突いてキスをしてきた。
「ん……んっっ!/////」
周りからは「きゃ~~♪」とか「うっわ~~生ちゅー!」とかいう子供達の歓声と共に…あかりちゃんの「そのまま攫っちゃえ!」という声が……。
みんなグルだったのかっ!
「お菓子もらったんなら、もういいでしょっ!」
ジタバタと暴れる私をさらに拘束して「言ったじゃん。俺は強欲なドラキュラだって…。」耳元ですごい色気を出して囁く。挙げ句に耳をぺろっと!!
「もうね、諦めなさい。ドラキュラに食べられた女の人は一生ドラキュラと共にいるんだよ。」
「私の前にもいたでしょっ!」
「だって気持ちがこっちの方が遙かに上だもん。しょうがないじゃん。」
何をしれっと言っているんだこの男はっっ!!
「ママー、今日はね私恭君家に泊まることになっているから。」
芽依がどさくさに紛れて爆弾を落とす。ちょっと待てぃ!
脇から鞄を持ちながらするっと抜けると、子供達|(と、あかりちゃん)はあっという間に立ち去ってしまった。呆然とする私をそのまま家にいれると、彼はしっかりと鍵を閉めてしまった。