Burn one's boats



テレビ画面に浮かぶ、『Game Clear』の文字。
僕たちの長い戦いは、ようやく終わった。

「お前もう少し手加減しろよなー」

大きな溜め息をつき、隣に座っていた葵がコントローラーを投げ出した。
そして、大きく伸びをする。

「だって、早くしないといけないじゃん! 明日テストだよ?」

「だからお前を呼んでな――」

「一緒にテスト勉強かと思えば、ゲームのお誘い。赤点取るよ」

もう知らないよ。
テストに関して開き直ってるのかな。
だとしたら、だいぶ危ない。

「薫は大丈夫そうだもんな」

「うん。葵と同じヘマはしない」

少なくとも、赤点取りすぎて、先生に呼び出されるなんて真似は。

その時、いきなり部屋のドアが開いた。

「どう? 捗って――」

ジュースとお菓子を持ってきてくれた、葵のお母さんが固まった。

< 6 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop