重なる身体と歪んだ恋情
口付けを交わしながら着物の帯をほどいていく。

このもどかしさが男の好奇心をくすぐるのか。

肌襦袢一枚にして合わせから手を差し入れて。


「あ……」


赤い唇から漏れる声は熱を帯びて魅惑的。

なによりもの甘い声は彼女に似て、いつまでも聞いていたくなる。

でも、今夜欲しいのはそれじゃない。


「佐和子、昨日アメリカ通商の人が来てたはずだけど誰に会ってたのかな?」

「……知、らなっ、んぁ」

「嘘はダメだよ」


胸の突起を強く捻りあげて、それからまた優しく指の腹で転がして。


「誰?」

「……っ」

「もっと酷いことをして欲しい?」


彼女の首筋にキスをして、それから長襦袢を上だけ剥ぎ取って彼女を立たせると目の前の窓を全開にした。


「あっ、何をっ、あぁっ」


そして後ろから両胸の先端を捻りあげてやる。


「もっと声を出して。お客が何事かと来るほどに」

「やめっ」

「もっと? なら――」


帯締めを外して一糸纏わない姿に。

窓枠に片足を上げさせて塗れた秘部を風に晒して。


「はしたない。太ももにまで涎が垂れてますよ?」


濡れたそこに指を這わせるとクチュっと卑猥な音を響かせた。
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