重なる身体と歪んだ恋情
男と言う生き物は酒の席になると自慢話をしたくなるものらしい。

傍に女がいれば尚更。

そこは料亭の個室ともなれば機密が守られると信じているのか、それともただ話したいだけなのか。

勿論、店側の守秘義務は当然。

佐和子がそれでも私に話すのは、

ただのメス猫だから。


「――んっ、ふ」


懸命に口を動かして瞳を潤ませて。


「もういいですよ」


そう言うとそっと口から私を解放して上目遣いにねだる目を。


「自分で挿れて自分で動きなさい。出来るでしょう?」


クスリと笑うと佐和子はビクンと体を震わせて、それからゆっくりと立ち上がった。

何もしていないのにツンッと硬くした胸の先端。

その胸を私の前に差し出して椅子に座った私にゆっくりと跨る。

細い指をそっと沿わせて濡れきった入り口にあてがい、


「ぁ……」


ゆっくりと体を沈めていく。

それでも動かないでいると佐和子は細い腕を私の首に巻きつけて何か言いたそうに私の鼻先に小さく息を吐いた。

欲しいものは分かってる。

だけど、


「自分で動きなさいと言ったでしょう? 佐和子」


そう言って乱暴に胸を掴んで指先で先端を抓れば「あぁ」とメス猫らしい声を上げた。
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