重なる身体と歪んだ恋情
何かを食べないと。

そう思いながらも身体が動かない。

とにかく今は寝なないといけないということか。

郁が枕元に用意してくれた水を含んでまた枕に頭を落とす。

小雪に今日のお茶とお菓子は指示した。

あと食後にお出しするお茶も。

料理については料理長任せで問題ない。

どこかに行きたいと駄々を捏ねなければいいが……。

って、


「はっ」


まるで保護者だな。

乾いた笑いがこみ上げてくる。

さあ眠ろう。

眠って起きたら何か口にして。

何とか明日にはこの熱を下げなければ。

まだ朝だと言うのに、私は明日のことを考えながら瞼を落とした。
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