重なる身体と歪んだ恋情
夜になるころには大分体も自由が利くように。
これなら明日に差し支えないだろう。
「ただいま、兄さん調子はどう?」
8時過ぎ、帰って来た郁にあれからのことを聞いた。
「小雪さんと弥生さんに聞かれたけど、どちらも同じように兄さんのお見舞いに行ったけどいなかったって答えてたよ」
そんな回答に少しだけ安堵する。
バケットの中身がそのままだったことで二人とも納得してくれたらしい。
次の日。
いつものように桐生家へ。
奏様も千紗様も起きていない時間に使用人専用の勝手口から屋敷に入る。
「あ、如月様! 大丈夫なのですか?」
そう声をかけてくる使用人に「あぁ、ありがとう」と答えて足を進める。
厨房の中では既に朝食の準備が。
「山崎さん、昨日はすみませんでした」
入り口でそう声をかけてペコリと頭をさげれば料理長の彼もパン生地を手にしながらペコリと頭を下げた。
「いえ、余計なことをと思ったのですが千紗様のいいつけで」
「そんなことは。病院に行ってまして。後から郁に聞いて残念だと後悔したくらいです」
そう言うと「今日のまかない、豪勢にしておきます」なんて笑ってくれた。
これなら明日に差し支えないだろう。
「ただいま、兄さん調子はどう?」
8時過ぎ、帰って来た郁にあれからのことを聞いた。
「小雪さんと弥生さんに聞かれたけど、どちらも同じように兄さんのお見舞いに行ったけどいなかったって答えてたよ」
そんな回答に少しだけ安堵する。
バケットの中身がそのままだったことで二人とも納得してくれたらしい。
次の日。
いつものように桐生家へ。
奏様も千紗様も起きていない時間に使用人専用の勝手口から屋敷に入る。
「あ、如月様! 大丈夫なのですか?」
そう声をかけてくる使用人に「あぁ、ありがとう」と答えて足を進める。
厨房の中では既に朝食の準備が。
「山崎さん、昨日はすみませんでした」
入り口でそう声をかけてペコリと頭をさげれば料理長の彼もパン生地を手にしながらペコリと頭を下げた。
「いえ、余計なことをと思ったのですが千紗様のいいつけで」
「そんなことは。病院に行ってまして。後から郁に聞いて残念だと後悔したくらいです」
そう言うと「今日のまかない、豪勢にしておきます」なんて笑ってくれた。