重なる身体と歪んだ恋情
火に焼けた銀のペンダントを握ったのだ。
多分、この手にはくっきりと痕が残ってる。
その手を持ち上げてそっと頬に寄せる。
「すみません」
「大丈夫ですよ」
「……ありがとう、ございます」
そう小さく口にすると彼の左手が私の頬に添えられて。
「この傷、残りそうですか?」
ガーゼの上をそっとなぞった。
「……大丈夫です」
先生は完全には消えないとおっしゃったけど、彼に伝える必要は無い。
彼を見ればひどく悲しそうな顔をして。
だから私はそっと目を閉じた。
すると唇に触れるものがあって。