blazing sun
第一章
侵入者
ここは異次元。
一時的に魂を集め、再び現世に送る場。
ヒタヒタと板造りの廊下を歩いている者がいた。
黒い帽子を深く被り顔サイドの銀髪だけを出し、首には白いマフラーを巻いている。
膝下まである黒いコートに七部丈の黒いズボン、黒いサンダルに黒いバック。
全身を殆ど黒で埋めていて、背に身長ほどある細長い刀を背負う。
見た目は少年の様だ。
「おい。お前!」
長い廊下の向こうから歩いてきていた青年が呼び止めた。
「見かけない顔だが・・どうした。迷ったか?」
「いえ・・・。」
「どうした!元気ないなぁー。お前名前は?」
「玲(れい)ですけど。」
「玲か。お前ほぼ黒だなぁ!そんなに黒好きなんか?」
「別にそう言う訳ではありません……それでは。」
「ん?あぁ、そんじゃなっ」
早々に別れを告げると青年は玲の横を通り過ぎ、廊下を歩いて行く。
さて・・・、
探さねぇとな・・・。
玲はまたヒタヒタと廊下を歩いていく。