blazing sun
「俺は八城ってんだ。」
バコォッ
八城と名乗った青年は飛んだ。
イヤ、ぶっ飛ばされた。
名前を聞いた瞬間スピードを乗せた玲のパンチが八城の頬にクリーンヒット。
「ぐっ!!」
「ハァ、だから止めたのに……。」
哀れそうな目で足元にぶっ飛ばされた八城を見下ろす螢。
「な゙・・・何も玲にしてないだろ!コノヤロー!」
「うん。私はされてない。でも、私の知人を傷つけた。」
「知人・・?」
「そう。だから一発殴りに来た。」
囲んでいた隊の者達が一斉に飛び掛る。
八城さんをよくもー!と勢いづきながら。
玲は刀の攻撃を次々と避けていく。
何十人との人数を難なくつぶしながら。
「残り二人。」
目の前に指を二本立て二人を睨みつける。
「螢、俺が行くよ。」
立ち上がり服に付いた砂をポンポンと払い、腰に下げていた刀を二本抜き取る。
肘から指先ぐらいの長さの刀を。
スッ
八城が構える。
「…アンタ強そう。」
そう言い玲は鞘をつけたままの刀を手にする。
「鞘ぐらい抜いたら?」
「必要ない。」
「そうです、かっ!!」
言葉と共に八城が切りかかった。
ギリギリの所で避けると後を追うようにもう一つの刀が切りかかる。
それを鞘の付いたままの刀で受け止めはじき返すと蹴りを繰り出す。
難なく避けられたかと思うと、刀で突き刺すように振るってくる。。
これが数秒。
ザザッ
二人は一旦距離を取った。
玲の足からは少量の血が流れ出る。
「くっ」
「俺さぁ、その玲が言ってる人に何したのか。教えてくれない?」
玲は何も言わず睨みつける。
そしてまた動き出す。
玲の凄まじく早い攻撃を螢は全て受け止める。
数分と続く攻撃の嵐。
ピタッ
空気が止まった。
玲の首元には八城の刀が牙をむく。
「俺の勝ち。」
八城は誇らしげにニッと笑った。