blazing sun


「で、何してたの?螢と。」

「別に。」

「そっけないなぁ。」

「・・・(睨」

「・・・(汗」

被る帽子とマフラーによって顔に影が出来、余計に睨む怖さが増す。

八城の頬を冷や汗が伝う。

特に喧嘩とかをしたい訳でもない八城にとって、本人の機嫌を損ねない様にするのが一番いい事なのは分かってはいるのだが存在自体が本人の機嫌を損ねるらしいのでどうしようもない。


「・・・・・嫌い。」

プイッと八城から顔を背けると螢が今まで居た仕事机に玲は了承無く座る。








「・・・そこ、勝手に座ったら怒られるよ。」




手近な壁に背を預け書類をさり気なくいじる玲に一言。

すると書類をいじる手を止めた。


ジィイ~・・・

今度は睨むでもなくただ八城を見つめ始めた。

「(睨まれるのかと思った;でも逆に怖いのはなぜだ・・・。)」

八城がそう思うのも普段からの行動を計算した結果。

まァ世の中には喧嘩するほど仲が良いと言う言葉もある事ですし・・。


「コレ、

取りに来たんでしょ。」

ピラリと一枚の書類を玲は偉そうに宙に持ち上げる。

「お?分かったの?」

「さっき話してた時、言ってた。」

「ん。じゃぁ貰うよ。」



玲が持つ書類に八城が手を伸ばす。


受け取る時に当たった小さな指先が少し暖かく感じ、八城は少し前の記憶を思い出す。
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