星に願いを
始まりの予感
「田代さん、退院おめでとうございます。
ご自宅に帰られても、決して無理のないようにお過ごしくださいね。」


星子はベッドの横で大きく頷く年配の患者・田代に言葉をかけた。


「看護師さん、ありがとうね。
あなたが優しくしてくれて、助かったわ…」


「ばぁちゃん、泣いたら看護師さん困っちゃうよ。」


息子さんが田代さんの背中をさすりながら、一礼をして部屋を出ていった。


星子は優しく微笑みながら、手を振った。


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