星に願いを
ブランコから勢いよく立ち上がった悠は、華奢で色白な星子の左手首をさっとつかむと、くるりと自分に向きを変え、抱きしめた。
星子は背の高い悠の胸にすっぽりと包まれた。
「泣いていいよ。」
左手で星子の髪をなでながら、右手で背中をさすり耳元でささやいた。
最初は戸惑っていた星子も、どんどん気持ちがあふれてきて、自然に腕を悠の背中にゆっくり回した。
「…くっ」こらえていた涙が頬を伝う。
「今まで辛かったな。
これからは俺が守るから…。願い事かなえるから。
俺にとっての願い星がほしちゃんなら、俺がほしちゃんの願い星になるからっ!」
驚きと嬉しさに、胸が張り裂けそうになる。
いけないとわかっているのに。
自分の気持ちを向けては駄目なのに…。
心にある悠への気持ちが溢れて、零れ落ちた。
「私も…悠さんが…好き」
悠は嬉しそうに、優しく抱きしめた。
「何も心配いらない。俺を信じて。」
お互いの気持ちが通じ合った今、二人は力強く抱きしめ合った。