星に願いを
「風が気持ちいいな。」
会場の廊下に面したところに大きなバルコニーがあり、端の所にベンチがあったのでバルコニーに出てベンチに腰を下ろした。
ちょっと飲んだお酒のせいで、体がポカポカしていたから、風が心地よく感じた。
―私のせいだー
―私と一緒にいる為に、アメリカに…-
「私のせいだとか考えてた?」
振り向くと、悠がニコリと笑って立っていた。
「探したよ。」
「ごめんなさい…。あっ、会場にいなくてもいいの?」
悠は黙って星子の横に座ると、そっと肩を抱きしめた。
「驚かせてごめん。」
星子は悠の背中に腕を回した。
「…うん。ちょっとビックリした。」
「アメリカ行きは前々から決まっていたことだから、決して君のせいじゃない。」
私の心を読む達人。
「…年明けに発つ。3年は日本に帰れない。」
衝撃の言葉に、星子は黙ってしまった。
「一緒に来ないか?」
「え?」