星に願いを
2年後
―2年後―
「すみませ~ん」
健康管理室の看護師・畠山に呼ばれ、星子は駆け寄った。
「営業2課の小山内さんがいらしてます。」
「はいどうぞ」
星子は悠と離れてから、資格を取った。
それは「産業カウンセラー」
働きながら通信教育で学び、資格を取った。
2年前相談員の田中が、「僕はいずれ定年退職する。その後は君がここを守らなきゃ。だから何らかの資格を取りなさいね。」と。
まずは産業カウンセラーになり、いずれは臨床心理士を目指して大学院にも通って…。
この先何があるかわからないけど、とにかく上を目指して。
夢を夢で終わらせないように。
そう思えるのも、田中と出会ったからと感じる。
あの時、星子の夢を聞いた田中が背中を押してくれなかったら、夢で終わっていたかもしれない。
悠と離れたことが後押しにもなった。
勉強に集中することで寂しさを紛らわせられたから。
働きながら資格を得ることは簡単ではないことはわかっていた。
でも悠が遠いアメリカで頑張っているのだから、私もそれに応えたい。
その想いだけでがむしゃらに突き進んでこれた。