星に願いを


仕事が終わってふと足があの場所へ向かう。


悠が何かあった時は必ず行くと言っていた、星子が育った場所にある公園。


既に夜8時を過ぎているため、公園には誰もいない。



ブランコに乗って空を見上げた。

 
今日は天気が良くて、星がきれいに輝いて見える。


この2年間、とても充実していた。


でも寂しかったのも事実。


悠に会いたい。


話をしたい。


抱きしめられたい。


あのサンキャッチャーは、私の色々な気持ちを知っている。





今日はお母さんの命日。


そして悠に初めて会った日。


その日だからこそ、きちんと仕事をして私の姿を届けたかった。




「私…頑張ってるよ。」




輝く星に想いを込めて…。


お母さん、悠さん、届いていますか?



悠がアメリカに行っている間、寂しくなるからと一切の電話連絡を断った星子。


悠への想いは、いつも星に託す。









「やっぱりここにいたんだ。」





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