星に願いを
「袴田さん、急にお呼び立てして申し訳なかったですね。」


驚くことに13階でエレベータが開くと、先日のスーツの人が待っていて声をかけてくれた。


「私は㈱漆原・常務の漆原創【うるしばらはじめ】です。」と名刺をくれた。


低姿勢の常務に、不安な気持ちが若干晴れた気がした。




「いえ、今日は休みなので大丈夫です。」


「病院での仕事はいかがですか?」




応接室に着くまで、色々と仕事のことを聞いてくれた。


常務っていう肩書があるのに威張った感じがなく爽やかだ。


それに緊張が見える私の心をほぐそうと、楽しい雰囲気を作ってくれている。


若いのに気配りが上手い。


それにいい香り…何だか落ち着く…。


端正なマスクと、優しい仕草に星子は好印象を抱いた。



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