星に願いを
創と悠



あの日――



悠は美紀を学校に送り届けた後、一旦会社に戻り取締役室へ足を運んだ。






「これが知りたいんだろう?」




兄貴が何枚かの書類をテーブルにバサッと置いて、悠をじっと見つめた。


その書類は星子の身辺調査書だった。





「さすが兄貴、仕事早いね。」




調査書を手に取り、じっと見た悠が深く息を吐いた。


「あれから苦労したんだな…。」



そこには、養護施設に行った後、働きながら定時制高校や大学に通った、星子の青春時代の苦労の足跡が刻まれていた。


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