星に願いを
悠の秘めた想い




悠はあの頃のことを思い出していた。






―14年前―


あの頃の俺は、無気力だった。


小学校5年生というまだまだ幼い俺。


両親は家にほとんど帰らず、会社や海外に行きっぱなしで、ろくに顔を合わせることはなかった。


最初は漆原の後継者という事もあり、ちやほやしていた周りの大人も、顔色伺いに嫌気がさして愛想が悪くなった俺に声を掛けなくなった。


友達も、暗い俺に必要以上に声をかけることはなかった。




全てが嫌だった。


無気力だから、勉強もたいして出来ない、スポーツだってそこそこ、習い事のピアノや茶道も魅力を感じられず上達しなかった。




そんな時、ある事件が起きた。

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