星に願いを
コンコン
「白鳥さん、退院の前に少しよろしいですか?」


「ほしちゃ~ん!」


部屋の中から可愛い声が聞こえた。


白鳥美紀は、白鳥物産社長の一人娘。


さすがお嬢様!と誰もが思う程の完璧な容姿。


天真爛漫で人懐っこい仕草に、嫌みのようなものは感じられない。


お見舞いは家族や友人だけでなく、会社の人達もよく来ていて病室はいつもにぎやかだった。


いつも華やかな生活に慣れているせいか、一人の夜は不安なようで、たまに話を聞いてあげたりしていた。


そのせいか、星子のことを姉のように慕ってくれて、いつの間にか仲良くなっていた。



「1ヶ月間、お世話になりました。」


「退院おめでとうございます。でも完治まではまだまだですので、無理しないようにして下さいね。」


「はい。ほしちゃんの言う通りにしまーす。」


ニコッと笑って頷く美紀。


家族のいない星子にとって、本当に妹が出来たようで嬉しい。


「リハビリに来たときは、こちらに寄って下さいね。」


「うん、ランチとかしようね!」


本当はいけないんだけど、と言いながら携帯電話を出して連絡先を交換した。



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