星に願いを
それから俺は人が変わったように、がむしゃらに勉強した。茶道をやめ、柔道を習い始めた。


強くなりたかった。身も心も。


自分をがんじがらめにしていた殻は、いつの間にか無くなっていた。


それからはもう俺を馬鹿にする大人も同級生もいなくなった。





あの時から俺は君を忘れたことはなかった。


いや、忘れないように、毎日君を思った。


毎日君の名前を心の中で呼んだ。






あの日から、俺は何かあるとあの公園に行き、夜空を見上げた。




―遠い街のどこかで、君もこの星を見ているのかな―









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