星に願いを
「では私はここで失礼します。お大事になさってくださいね。」


星子が笑顔で病室を出ようとした所で、美紀が引きとめた。


「ほしちゃん、これ。」


それは可愛いリボンのついた紙袋だった。


「…ほし?」


その時、美紀の横でわからないくらいの小さな声がした。


「申し訳ありません。受け取ってはいけない規則になっておりますので、お気持ちだけいただきますね。」


「嫌、ほしちゃん。ここだけの話にするから。お願い。受け取って。」


スーツの人も頷いてそのプレゼントを無理やり渡してきた。


「私とほしちゃんはお友達。だからいいの!」


ちょっと我儘な発言をする美紀を見て、やはりお嬢様だな~と思いながら、引っ込みのつかないこの状況を何とかしようと、一旦受け取ることにした。



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