星に願いを

「まぁ、そんな事は正直どうでもいいんだ。
君も知っているだろう。
美紀さんと悠が婚約中だという事を。
この事が公になることがどういう意味を持つ事なのか…。

白鳥産業との業務提携は、漆原の今後の更なる飛躍がかかっている。
もしもこの話が白鳥産業に知られたら、漆原のダメージにつながる。
それに悠は将来この会社を継ぐ人間だ。

君と悠が万が一…という事は決してないんだよ。それに…」



創は何かを言おうとしてためらった。



「いや、何でもない。今後気を付けてくれればいい。」


創の顔に、疲れが見えた。


「…以後、気を付けます。」


会議室を出ていく創にお辞儀をした。


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