星に願いを


「俺たちのような人間には、俺たちにしかわからない悩みや迷いってあるよな。」



その悠さんの言葉がとても温かく感じて、気が付いたら涙を流していた。


悲しくてではない、毛布にくるまって温まっているような、そんなホッとする温もりに涙が出たんだ。




「あの…悠さんにも、あるんですか?その…悩みが。」


「そうだね。あるかな。今まで色々あったから。」



そうか、きっと悠さんも色々あったんだ。





「でも、君はそのまま笑っていればいいと思うよ。
必ずわかってくれる人が現れるから。」




「悠さんにも…わかってくれた人が現れたんですね?」





悠さんは返事をせず、懐かしむような顔で空を見上げた。




< 77 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop