星に願いを

美紀にも自分の心にも、嘘をついた。


「美紀ちゃんは婚約者でしょ?大丈夫だよ。
悠さんは美紀ちゃんを大切に思っているよ。」



「婚約してたって、気持ちが私にあるわけじゃない!」



「美紀ちゃん…。」



ひと通り泣き通すと、美紀はすっきりしたようで、ニコッと星子に笑顔を向けた。


「ごめんほしちゃん。色々不安なの。大好きなほしちゃんと大好きな悠さんが私の前からいなくなるんじゃないかって。二人が仲良くしているのが辛かった…。」



―これ以上、美紀を悲しませてはいけない。


悠の気持ちがどこにあるのかはわからないけど、少なくとも私の心の中には悠さんがいる…。


早く断ち切ろう。この思いも。そしていずれはこの仕事も―




「休憩の時間つぶしてごめんね。
私もパパと一緒に来たからもう行かなきゃ。またね、ほしちゃん。」



美紀は立ち去りながら、心の中でつぶやいた。






―ほしちゃんと話をしている時の悠さん、話をしてくれたあの時と同じ赤い顔してるんだよ―




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