星に願いを
この半年、悠に支えられて頑張ることができた。
自分の気持ちに気が付いた今、いつもそばにいてくれた悠の存在がどれだけ大きかったのかを思い知らされる。
「悠さんがあの時声をかけてくれたおかげで、新たなチャレンジができました。本当にありがとうございます。」
星子は深々とお礼をした。
「いや、こちらこそ。慣れないこともあって大変だったでしょ?」
悠は優しく微笑んだ。
「実は袴田さんにお願いがあるんだけど。」
なんだろう?と首をかしげる。
「今度のプロジェクトが落ち着いたら、一緒に行って欲しいところがあるんだ。」
どうしよう。
美紀の事があるからなるべく一緒にはいない方がいいだろうが。
あの一件以来、悠とはなるべく距離を保とうと心がけていた。
美紀とも連絡を取っていなかった。
いや、取れなかった。
考え込んで返事ができない星子に、フッと笑顔で見つめた。
「上司命令。」
「は・はいわかりました。私もお話したいことがあるので、丁度よかったです。」
そうだ、その時に美紀ちゃんの事を話せばいい。
そして、今後の事も…。