星に願いを


会社を出て駅に向かおうとした時、舞香から「今から飲みに行くぞ~」と電話があった。


明日オープンを控えているので早く帰りたいところだが、「オープン前祝しよう」と言われてしまった。



最近舞香と話をしていなかったから、彼女なりに心配をしてくれていたんだろう。


温かな気持ちが溢れ、「今から向かうね」と返事をした。





行きつけの居酒屋に着くと、そこにはもう一人見慣れた顔があった。


「よっ!元気?」


「卓哉も一緒だったんだ。元気だった?」


既に出来上がった舞香が、卓哉の頭を人差し指で小突いた。


「星子と飲みに行くって言ったら、俺も会いたいって着いてきたんだよ!」


卓哉は笑って「抜け駆けは許せん!」と舞香を小突き返した。


何だか懐かしいな。


楽しかったな、あの頃。


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