星に願いを


「星子はね、いつだって人のこと気にしすぎるの。
そんなのラメに決まってる…でしょ~?」と泣き始めた。


まぁまぁ、と卓哉が舞香の背中をポンポンと叩いてなだめる。



「舞香…お酒臭いぃ~」


ふざけて言う星子の鼻をつまみ舞香が叫んだ。


「もう!お嬢だか何だか知らないけど、彼女気取りもいい加減にしなさ~い!
婚約だって正式に決まったわけじゃないんでしょ?
ズルよズル。親の名を借りてズルしてるんだわ。
もう、そんな奴からうばっちゃいなさ~い!」


そう言うなり、テーブルにうつ伏せになって寝てしまった…。



「舞香ってこんなに酒癖悪かったっけ?」


舞香の頭をやさしくなでながら、星子はため息をついた。



「舞香は本当にお前を心配してるんだよ。」


舞香の気持ちを思うと、私まで嬉しくて泣けてくる。


でも、どうしようもないんだよ。


好きになってはいけない人。好きになれば、皆が傷つく。



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