星に願いを
「なぁ、星子。
美紀ちゃんを本当に大切に思うなら、自分の気持ちに正直になるべきじゃないのか?
嘘をつかれた方が辛いぜ。」
珍しく卓哉が真剣な顔だ。
「美紀ちゃん、本当にお前の事お姉さんみたいに慕ってるんだ。リハビリ中もお前の話ばっかりだったぞ。」
涙がこれでもかというくらい出てくる。
「美紀ちゃんは素直な娘だと思う。自分の気持ちに正直で。
お嬢様の我儘っぽい所も少しあるけど、一人娘で周りからちやほやされて、彼女も寂しかったんだろうよ。」
舞香が横で寝息を立て始めた。
「お前が普通に接してくれて、ホッとしたって言ってたしな。彼女にとってお前は心を落ち着かせる数少ない人なんじゃねえか?」
星子は舞香の背に、持っていたストールをかけた。