星に願いを


「そんな私と同じ人を好きなんて、悲しいじゃない。
前に言ってたもの。大好きなほしちゃんと大好きな悠さんが私の前からいなくなるんじゃないかって…。」



「美紀ちゃんが言いたかったことって、お前の心が離れるってことだろ?自分に嘘をついて騙して、結局美紀ちゃんに向き合っていないってことじゃないか。
彼女はそれを言ってるんだよ。」



”いなくなる”は美紀に嘘をつく事…美紀から心が離れる事。


卓哉に言われて、そうかもしれないと考えた。



「彼女に真っ直ぐな気持ちでぶつかってごらんよ。彼女はそれを求めてるはずだから。」



「男と女なんて所詮好きか嫌いかなんだから~」


隣で寝ていたはずの舞香がごにょごにょと口をはさんだ。



―何か私、結局何もわかっていなかったのかな。
人の気持ちも自分の気持ちも。
駄目だ、こんなんじゃ。
このままの私じゃ、心理療法士なんてなれないー




心の中で悲しげに叫んだ。


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