君の隣で。


喧嘩をしたからか古傷が痛む。


傍にあった木に寄り掛かりそのまま寝ようと思ったそのとき。




「わぁー
綺麗な桜」


女の声が聞こえた。


普段はまったく気になったりしないのに何故かこの時はその声の女を見たくなった。



う、わ。

運命かと思った。

今まで女に興味がなかった俺がその女を綺麗だと思った。


「綺麗…」


桜の花びらをバックに
彼女のその姿に
表情に
瞳に
見惚れてしまった。




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