Sweet love‡Bitter kiss 【短編】
梨華子さんを駅に送った後、直哉の家に直行した。
俺と直哉は中学からのくされ縁で、学校が終わると毎日のように遊んでる。
紗由と別れた時も一緒に居てくれたのは直哉だったし、落ち込んでる時はいつも声を掛けてくれた。
直哉は見た目は厳つくて勘違いされやすい…。
でも…、本当は誰よりも繊細で、優しい面をたくさん持ってる奴。
今までも、これから先も…―
俺の1番の親友は直哉だって言い切れる自信があるんだ。
『直哉〜、入るよ。』
一応チャイムを鳴らして玄関に入った。
台所からおばさんが顔を出して、
「祐輔おかえり〜。」
って手を挙げてる。
毎日来てるだけあって、おばさんとも顔なじみで本当に俺に良くしてくれるんだ。
直哉の部屋を開けると、ベットに横たわりながら睨むような視線を受けた。
『何だよ…。
機嫌悪い…?』
鞄を放り投げてベットに寄り掛かった。
見てもいないテレビには、ドラマの再放送が流れてて直哉の沈黙代わりになってくれてる。
いつまでも話さない直哉に痺れを切らして、後ろを振り返った……
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