Sweet love‡Bitter kiss 【短編】


梨華子さんを駅に送った後、直哉の家に直行した。


俺と直哉は中学からのくされ縁で、学校が終わると毎日のように遊んでる。




紗由と別れた時も一緒に居てくれたのは直哉だったし、落ち込んでる時はいつも声を掛けてくれた。


直哉は見た目は厳つくて勘違いされやすい…。



でも…、本当は誰よりも繊細で、優しい面をたくさん持ってる奴。


今までも、これから先も…―





俺の1番の親友は直哉だって言い切れる自信があるんだ。










『直哉〜、入るよ。』


一応チャイムを鳴らして玄関に入った。



台所からおばさんが顔を出して、

「祐輔おかえり〜。」



って手を挙げてる。




毎日来てるだけあって、おばさんとも顔なじみで本当に俺に良くしてくれるんだ。




直哉の部屋を開けると、ベットに横たわりながら睨むような視線を受けた。


『何だよ…。

機嫌悪い…?』




鞄を放り投げてベットに寄り掛かった。


見てもいないテレビには、ドラマの再放送が流れてて直哉の沈黙代わりになってくれてる。




いつまでも話さない直哉に痺れを切らして、後ろを振り返った……





.
< 11 / 50 >

この作品をシェア

pagetop