Ｓweet love‡Ｂitter kiss 【短編】

俺と関係を切らせた弘海に腹が立ってしょうがなかった。


紗由と喋る事も許さない男…。






腹が立つ。腹が立つ。







でも…　俺でもそうしていたかもしれない。


元カレと自分の彼女が同じクラスに居て、不安じゃない訳がない。





「ゆんちゃんさ、私はこう思うの。

今紗由が好きになった人はまったく正反対の人だよね…。


若い時ってあると思うんだ。ちょっと…、何て言うのかな。

振り回されたいって時。」





紗由ママの瞳が優しくなって、俺を包むように見てた。

この瞳を見ると、泣きそうになるんだ……







紗由に似てる猫みたいな…―



「だって現にゆんちゃんから離れた日から、毎日苛々したり元気なかったり…。

紗由にはゆんちゃんみたいな性格が合ってると思うけどな。


でもね、時間が必要だと思うの。
紗由だって…、寂しくて我慢出来なくなった結果が今だと思うから……。」








ﾌﾌｯて小さく笑って言ってくれた事。


紗由ママの素敵な所だって思う。






さりげなくて、でも的確な大人の意見。

俺が１人で考えてたらわからなかった。





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