Sweet love‡Bitter kiss 【短編】
「お待たせ…。」
『おっ…おう。
遅刻…?』
「ちがうよ、ゆんちゃん。
お待たせ…。」
横で見ていた直哉は、俺と紗由の顔を交互に見ていて。
「お前等の会話…、何?」
って眉をしかめてた。
「直哉〜。ゆんちゃんの親友ならわかるでしょ?
これから紗由は… ずっと一緒に居るって意味!」
「あ〜……、なるほどぉ……
って、え?!」
暑さで止まりかけてる頭をフル回転させて、紗由を見上げた。
ブラウスから覗く首元には、去年の誕生日にあげたネックレスが光っていて…。
大切な場所に戻ってこれたネックレスが、輝きを増している。
『…まじで?!』
「まじだよ。」
『まじでまじで、本気で?』
「ゆんちゃんしつこいよ!」
子供みたいな会話に、直哉は呆れた顔で席を立った。
俺は… 未だに現状を夢かも、なんて思って。
でも、紗由の笑顔が側にある。
俺だけに…
笑いかけてるんだ…―
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