ねぇ、好き。上
あたし、いつのまに泣いてたの?
彼女に言われるまで気付かなかった。
「辛い過去を思い出させてしまってごめんね…」
彼女は申し訳なさそうに頭を深く下げて謝ってきた。
本当にごめんなさい…と、言いたいことが伝わってくる。
「いいよ…。頭上げて?そんなことで頭下げなくていいから…」
「でも…、桃花ちゃんにひどいことしたから…。本当にごめんなさい」
「もういいって。大丈夫だから、もう謝らないで?」
「…でも」
もういいと言っているのに、まだ謝る彼女。
こんな子もいるんだ…と、
あたしは、彼女に気付かされた。