ねぇ、好き。上
「…も、桃」
「……え?」
目の前には…
凛。
目があって、ドキッとする。
顔、近いよ…
近すぎるよ…
「何、ずーっとぼけーっとしてんだよ?」
「…あ…」
自分がどれだけ、ぼーっとしていたのかがわかる…
千尋も、頷いている。
「千尋さ、好きな奴いんの?」
え…
凛、何を聞いてるの?
やっぱり、好きなのかな…?
「うーん…好きな人かぁ。いても、教えないよー?」
いるなんて話、聞いたことないよ…
「…ふーん。桃は、いねぇの?」
えっ!?
あ、あたあたし!?
「…」
「何、いんの?」
怒ってる…?
声、なんか低いよ…
「…」
「誰?」
どうして、そんなこと聞くの…?
誰だっていいじゃん。
「…っ知らないよっ!」
「……は?」
「…っ///」
やめてよ…
顔、絶対赤くなってる…!
「なぁ、誰だって言ってんだよ」
「…」
「…わかった」
「…え?」
わかった?
もしかして…
ばれちゃった?
「アイツだろ?葉桜幹也。そうだろ…?」
「幹也…くん?悪いけど、違うよ…」
どうして、幹也くんなの?
どうして、わかってくれないの?
さっきは、ばれたくないって思ったのに…
今は、ばれてほしいと思ってる…
なんか矛盾してるね…
「違う…?嘘だろ。じゃあ、違うなら誰だよ」
「…じゃ、じゃあ凛は?凛は、誰なの!?」
そんなこと、聞いたってあたしには得なんて1つもないのに…。
「なんで、そんなムキになんだよ」
「べ、別に…ムキになんかなってないもん…///」