ねぇ、好き。上
あたしが落ち着くまで、黙ってそばにいてくれた幹也くん…。
「どうして泣いてたのか聞いていい?」
やっぱり、バレてたんだ…。
「千尋、凛に告白するみたいで…」
「…ということはさ、岩佐も凛のこと好きなの?」
あ…。
そっか。
そういうことになるのか…。
「…うん」
「そっか…」
「それで、あたしの恋応援してくれてたのに裏切られて…」
「…そっか。辛かったな」
「…っ…っく…」
「…」
「…ごめんね…迷惑っ、だよね…もう、大丈夫だからっ…」
「…迷惑なんかじゃないよ」
「ううん、ダメ。ごめん…ありがとう」
「…好きだ」
「え…?えっ、ちょ…待って…えっ?ええ…??」
誰が?
誰を?
えっ?
「…ごめん。困らせるのはわかってる。だけど、好きなんだ」
「…ちょっと、待って。誰のことを好きなの?」
「決まってるじゃん。岩佐だよ」
岩佐…?
「凛のこと?」
「凛じゃなくて、岩佐さんだよ。岩佐桃花」
あ、あたし…!?
「本当に…?」
「うん、嘘つくわけないじゃん」
「そ、そうだよね…ごめんね…だけど、あたし…凛のこと好き」
「知ってる」
「え?」
「態度、みてりゃわかるって。後、今さっき言ってたじゃん」
「あ…」
そうだった…。