ねぇ、好き。上
ボォォー…
「…きゃっ」
「風の音だって」
「…ねぇ、やっぱ嫌だぁ…怖い…」
「なぁ、頑張ったら景品あるらしいぞ?何だろうな?」
「け、景品…?」
「おう」
「そ、そんなのいらない…。あたしには、凛だけで十分だよぉ…」
「…もうすぐだぞ。頑張ろうぜ」
「…」
ぎゅっ。
あたしは、凛を抱きしめた。
「オーバーケだぞぉー!!」
後ろから声がして、後ろを振り向くと…
「…っやだ!やだぁあぁあぁ…もうっ、嫌だっ!怖いよぉー…!お化けの…ばかっ!!」
「おい、泣くなよ。大丈夫だって。それに、お前…お化けにばかってさっ…」
何、笑ってるの!?
こっちは、必死なのにぃー…
「凛、降ろしてー!」
「一緒に歩くか?」
「違う!帰る」
「待てって!じゃあ、走るぞ」
凛は、あたしを降ろして手を引っ張って
走った。