ねぇ、好き。上





俺は、自分宛ての手紙を読んだ。







【凛へ】


凛。

ずっと、黙っててごめんね。

本当は、小学校ぐらいからもう病気だったの。

小学校ぐらいから、毎日入院生活を送っていた。

中学の頃。

あたしは、ちょうど窓の外を眺めていた。

そこにはね、1人の男子生徒が友達3人と笑いあってる姿が見えたんだ。

なんて、楽しそうなんだろう。

あたしも、友達と話したいって思った。

それまで、もうどうでもいいと思って毎日を過ごしてきた。



その男子生徒は、東中学校の制服が見えた。

それは、凛だった。

友達が、『凛』と呼んでいたから。



ある会話が聞こえた。

「どこの高校行くんだ?」


「東高校」



東高校…。


じゃあ、あたしもそうしよう。って思った。


今、思うと凛に一目ぼれしてたんだと思う。




それで、看護婦さんやお母さんに頼んで受験した。

見事、合格した。


だけど、過去に辛い経験があったから。

友達、作るの怖かった。

だけど、そんなあたしにもできた。





あたし、凛のことが好き。


今でも、好き、大好き。






スイートピーの花言葉、知ってる?



私を、忘れないで…っていう意味なの。




だから、忘れないでね?



約束。






また、会う日まで。

< 269 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop