ねぇ、好き。上
俺は、自分宛ての手紙を読んだ。
【凛へ】
凛。
ずっと、黙っててごめんね。
本当は、小学校ぐらいからもう病気だったの。
小学校ぐらいから、毎日入院生活を送っていた。
中学の頃。
あたしは、ちょうど窓の外を眺めていた。
そこにはね、1人の男子生徒が友達3人と笑いあってる姿が見えたんだ。
なんて、楽しそうなんだろう。
あたしも、友達と話したいって思った。
それまで、もうどうでもいいと思って毎日を過ごしてきた。
その男子生徒は、東中学校の制服が見えた。
それは、凛だった。
友達が、『凛』と呼んでいたから。
ある会話が聞こえた。
「どこの高校行くんだ?」
「東高校」
東高校…。
じゃあ、あたしもそうしよう。って思った。
今、思うと凛に一目ぼれしてたんだと思う。
それで、看護婦さんやお母さんに頼んで受験した。
見事、合格した。
だけど、過去に辛い経験があったから。
友達、作るの怖かった。
だけど、そんなあたしにもできた。
あたし、凛のことが好き。
今でも、好き、大好き。
スイートピーの花言葉、知ってる?
私を、忘れないで…っていう意味なの。
だから、忘れないでね?
約束。
また、会う日まで。