ねぇ、好き。上
「…泣けばいいのに…」
あたしは、ボソッと言った。
「…え?」
「もっと、泣いていいんだよ」
彼女は、首を横に振った。
そして、震える声でこう言った。
「…だって、迷惑かけるんだもん…」
迷惑…?
どうして、そんな風に思うの?
どうして、そんな風に思っちゃうの…?
「迷惑なわけ…ないじゃん!誰が迷惑って言った?あたし、迷惑だなんて、言った?」
あたしは、つい熱くなってしまった。
千尋ちゃん…
ごめんね…
だけど、
そんなあなたを、
あたしは…
すぐそばで、ずっと黙っていられるほど…
強くはないんだ…