ねぇ、好き。上
「…えっ?あっ、わっ!」
後ろから、ドタバタする足音がして声がしたから
振り返ると…
そこには、1人の女子が真後ろにいて
びっくりした…
なんなんだよ…
「あっ、あ~~~~~ごめんなさいごめんなさい…」
コイツは、確か…
長瀬桃花だっけ?
1度も話したことがないから
おとなしい奴だとしか、みてなかった。
けど、
何度もペコペコ謝る姿をみていたら、
別に、おとなしそうじゃないじゃん。
リアクションおもしれー…
なんか、笑える…
だけど、笑ってはいけないと思い…
必死に…
「…別に、いいよ…」
と、なってしまった。
だから、少し沈黙があったせいか…
俺の顔を覗き込んで
「…ご、ごめんね?」
と、申し訳なさそうに言った。
「……いいよ」
さっきの笑いが込み上げてくる。
だから、また必死に抑える。
すると、
少し微笑んで、水野さんの方へと走って行った。
変な奴…
俺の、長瀬桃花という印象はただ、それだけだった。