ねぇ、好き。上
「だからさ、もう桃花とは一緒にいないから。桃花のこと、嫌いだから」
「でも、あたしは香乃のこと好きだよ?ウソ、だよね?ウソに決まってるよね?
さっきの話も」
「ウソなわけないじゃん。アンタバカ?」
もう、香乃はあたしが知っている香乃じゃなかった。
香乃は、別人になってしまった。
「あっ、香乃さっきの数学わかった?」
あたしが、香乃に話しかけたら
香乃は、違う子の方へ行ってしまった。
話しかけても、無視される毎日。
もう無駄だと思ったから、香乃に話しかけるのはやめた。
違う子と一緒に行動していて、
あたしはそれから一人ぼっちだった。
他のクラスの子が話しかけてくれたけど、
もう、人を信じられなくなってしまった。
信じることが怖い。
信じたくない。
信じられない。
人が言ってることは、全部ウソだと思ってしまう。
みんな嫌いになった。
姫花は亡くなり、あたしは一人ぼっちで友達には裏切られ…
中3もなんとなーく、適当にやり過ごして
中学校を卒業した。
高校は行きたくないと言ったけど、
親が許してはくれなかった。
だから、仕方なく頑張って勉強していきたい高校をみつけて
また頑張ろうと思った。