あたしの前世はあなたの恋人




「…どうでもいいだろう。そんなこと」

そうだ。
どうでもいい。

それに――。

「他人に話す理由などない」


「………」


意外な言葉に驚いているのだろうか?

それならそっちのがいい。
聞かるより、ずっと。


「じゃあ質問です。僕の名前、なんて言います?」

「…………は?」

何だ、急に。
頭狂ったのか?コイツ。


私は怪訝な顔をして答えた。

「沖田麗だろ…。それが何だ」

「えぇ。合ってます。で、あなたは斎藤壱歌、でしょ?」


………いや、だからそれがどうしたっ!?

今さら、何当たり前のことを言っている!!


私は斎藤壱歌。お前は沖田麗、そんなことがどうしたと言うんだ!!




私がもんもんと考えていると、沖田が口を開いた。





< 23 / 39 >

この作品をシェア

pagetop