あたしの前世はあなたの恋人
その時、集団の中の美女が、こちらを見ていたことに私は気付かなかった。
女は男に話し掛ける。
「……ねぇ」
「?」
「あの子……、ビンゴね」
「……土方さんがそう言うなら、ほんとなんでしょうね…」
男は、女――土方が微笑んでいるのを見て、つられて笑った。
その話を聞いていた、少年という言葉が似合う男が、質問した。
「土方さんと、そ……じゃなくて、麗(ライ)、誰か見つけたの?」
「えぇ、まぁ…」
「教室に行けばわかりますよ。多分…あれだろうし」
クラスの振り分け表のある所を見て、静かに笑った。
その男の名は、沖田麗(オキタライ)。