Endless story in正員館 ~男装女と寡黙男~
「母上…大丈夫?」
「桃莉……お父さんはいなくなったの……?」
「……最後は見せてもらえなかったけど、うん……」
「あなた……」
母上はとても辛そうに、でも、涙をこらえている。
「母上、もう泣いていいの…」
「……っ、あなた……」
そう言って泣いている母上を私は抱きしめた。
この2人の前では絶対弱音を吐かない。そう、父上と約束したんだ……
「姉上、どしたの?」
私より10歳離れた弟が言う。
ちなみに、私は高木桃莉。
今年で16歳になった。
そして私は母上を少し引き剥がして、葵に言った。
「父上は当分帰って来ないわ。3人で暮らすのよ」
「父上がいないの?分かった!3人で暮らすんだね!」