東京へ 〜僕の夢を乗せて
バイトに明け暮れ音楽活動どころではなかった


今までは家賃や光熱費を


親に出してもらったがそうはいかない


自分で稼ぐしかないのだ


居酒屋のバイトが終わりアパートに着くのは明け方


体力がもたずコンビニのバイトは辞めた


このままじゃバイト生活で終わってしまう


休みの日には路上で歌う事にした


どんなに疲れていても歌うと気持ちが晴れた


友達とライブハウスを借り歌う事も出来た


路上で歌っていると母親と同じくらいの年令の人に励まされたり

高校生の女の子がいつも来てくれるようになった


そんな日々を二年くらい送った

ある日事務所に入って

インディーズのCDを出さないか?と言う話が来た

仲良かった友達も

つい最近その事務所に入った事も聞いていたので

内心かなり舞い上がっていた


でも事務所に入り

CDを出すのに110万くらいかかると聞いて愕然とした

でもバイト生活を辞め

歌う事で稼げればそんなにいい事はない

思い切って父に相談したら
おまえがやりたいなら

110万をなんとかするよと言ってくれた

父はその時この話が詐欺である事に気づいていたらしい           

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