サワーチェリーパイ
並んで暗い道を歩いていると、晴斗は不意に立ち止まって陽生に向き直る。
「なあ、俺さ……」
「なんだよ? 」
「お前の目にはどう見えてんのかなって、いつも考えてんだよ」
余り無い勇気を振り絞り、そう問い掛けたが、陽生はプッと吹き出す。意識すらしていない相手に、いきなり聞かれたのだから仕方ない。
「妄想病患者で、顔はいいけどホモ扱いの可哀想な人間」
「いい所無いじゃんか! 」
「だってそーだろ、正直に言って」
「こんな俺でもな、こんな俺でもなぁ! 」
告白をしようとしたその瞬間、携帯電話の着信音が響く。
音楽は「ケルティックマン」で、樹が今日のショートプログラムで使っていたものと同じだった。
そう、それは樹専用の着信音。
「なあ、俺さ……」
「なんだよ? 」
「お前の目にはどう見えてんのかなって、いつも考えてんだよ」
余り無い勇気を振り絞り、そう問い掛けたが、陽生はプッと吹き出す。意識すらしていない相手に、いきなり聞かれたのだから仕方ない。
「妄想病患者で、顔はいいけどホモ扱いの可哀想な人間」
「いい所無いじゃんか! 」
「だってそーだろ、正直に言って」
「こんな俺でもな、こんな俺でもなぁ! 」
告白をしようとしたその瞬間、携帯電話の着信音が響く。
音楽は「ケルティックマン」で、樹が今日のショートプログラムで使っていたものと同じだった。
そう、それは樹専用の着信音。