サワーチェリーパイ
「あいよ」


テイクアウト用のサンドウィッチと、サワーチェリーパイの入った紙袋を晴斗の目の前に差し出すマサヨ。


「え? 何これ」
「マーティンが気を利かせたんだよ、さ、これ持ってあの子の所に行きな」
「オンナノコガコマッテルトキ、タスケルノハアタリマエ」


親指を突き立てて、ドアを示すマーティン。


そこには、真っ赤なバイクにまたがったアーリオがヘルメットを手に笑っていた。


バイクで彼を陽生の元へ、送ってやろうというのだろう。


「お前ら……」


グスンと鼻をすすりあげて、ドアに向け走り出す晴斗。


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