サワーチェリーパイ
「俺と……」
「俺と? 」
「デートしてくれ、頼む」
「そんなのでいいのか」


やっぱり、肝心な時にも無茶な要求は出来ない晴斗に安心して、笑顔でうなづく。


まあ、無茶な要求をされても、絶対に応じないとは思うが。


「よし、デートしてやるよ。お前の練習も兼ねて」
「何だか逆だな、これ」
「それで済むならお安い御用だ、じゃあ、まだ原稿があるから」
「邪魔したな、じゃあ」


部屋を出てポケットの中の物を確認し、ガックリと肩を落とす晴斗であった。
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