サワーチェリーパイ
「何だコレは! 」
「エロ本、兄貴からのプレゼント」
「お前、やっぱりヘンタイだな」
「オトコハミンナソンナモノー、are you all right? 」


本を虹太に投げつけると、気を取り直すためにコーヒーを飲む。


「まあ、それは否定しないけどよ」
「女の子だって最近そうだろ? 俺の彼女達だって読むもん。経験談とか」
「多いけど、あたしは苦手だ」


実際、『kiss&cry』にも、そうした描写は見当たらない。


読者からは「純愛物」と喜ばれている一方で「携帯小説らしくない」とも、陰口を叩かれているのを陽生は知っている。
< 159 / 293 >

この作品をシェア

pagetop