サワーチェリーパイ
2人の会話を耳にし、ようやく顔を上げた晴斗は、その横顔を見て口をあんぐりと開けた。


一体、どうしたというのだろう、この万年フラれ男は。


ノートPCに内容を全て打ち込み終わった陽生は、駿府にプリントを返して颯爽と店を出て行く。


その瞬間、晴斗は叫ぶ。


「超タイプなんですけどぉー! クールビューティー系だし! 知的なカンジがもう最高だろー! キタキタキター! 」


晴斗の頭の中ではすぐに妄想ナンパが始まった。


『どこ住み? とか
 聞いて、ケータイ
 のメアド聞いて、
 星座聞いて、俺達
 気が合うね。
 それから外でデート
 して……で、
 孫の名前は何に
 しようか』
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